地球温暖化の影響で、「2050年には今のような美味しいコーヒーが飲めなくなるかもしれない」──。そんな衝撃的な予測を聞いたことがありますか?
今回、長年にわたり世界のコーヒー産地と向き合ってきたアタカ通商株式会社 代表取締役 荒木守さんに、未来のコーヒーについてお話を伺いました。
Q. そもそも「2050年問題」とは、どんな問題なのでしょうか?
荒木社長:
「2050年問題」とは、地球温暖化の進行によって、2050年までにコーヒーの生産に適した土地が現在の半分に減る可能性があるという問題です。
特にアラビカ種のような高品質なコーヒー豆は、気温や降雨にとても敏感で、わずかな環境の変化でも品質や収穫量に大きく影響が出ます。そのため、現在のような豊かな風味のコーヒーを味わえなくなるリスクが高まっているのです。
Q. 実際にどんな影響が生産地に出ているのでしょうか?
荒木社長:
既に、コロンビアやブラジルなどでは気候変動による不安定な天候や干ばつ、洪水の影響が深刻化しています。また、生産地によっては病害虫の発生が増え、農薬に頼らざるを得ない場面も増えています。
さらに、気候変動の影響でコーヒーの木を維持するための労力やコストが増し、若い世代が農業から離れる原因にもなっています。
Q. 価格にも影響があるのでしょうか?
荒木社長:
もちろんです。供給が減れば価格は上がります。すでに過去数年、世界市場ではスペシャルティコーヒーの価格が不安定になっており、将来的にはさらに高価な嗜好品になるかもしれません。
一方で、生産者の利益にならない価格で取引されてしまうと、栽培を継続できずにやめてしまう農家も出てきます。これは、世界全体のコーヒー産業の持続性を脅かす要因です。
Q. 私たち消費者にできることはありますか?
荒木社長:
たくさんあります。まず、フェアトレードやサステナブル認証のあるコーヒーを選ぶこと。それは、生産者を支え、環境に配慮した栽培方法の普及につながります。
また、誰がどうやってコーヒーを育てているのかに興味を持つことも大切です。一杯のコーヒーの背後には、長いストーリーと人々の暮らしがあります。それを知ることで、日常の一杯が少しずつ未来を変えていけると信じています。
Q. 将来の展望について一言お願いします。
荒木社長:
「2050年問題」は、決して遠い未来の話ではありません。今の選択が、10年後、20年後のコーヒーの未来を左右します。
私たちは商社として、コーヒーの価値を守り、次の世代に繋いでいく責任があります。そして、消費者の皆さんと一緒に**“選ぶことで未来を変える”**という意識を広げていければと思っています。


